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ブンケイノタメノリスウセンスヨウセイコウザシンチョウシンショ文系のための理数センス養成講座(新潮新書)

竹内薫

836円(税込)

もう、「文系だから……」では逃げ切れない。AI時代を生き抜く「知性」をあなたに。

あなたが心の底で求めていたのは、数学や科学の「知識」ではなく、「知恵」そのものだったのではないか。「理系と文系は、そもそもどこが違うのか?」を入り口に、「論理的思考」の本質や「科学観」の育て方など、あなたの「理数センス」をサイエンス界の名ガイドが徹底的に磨き上げる。AI時代と最先端テクノロジーの捉え方や、研究不正といった科学のウラの顔の疑い方まで、現代を生き抜くための教養を一冊に凝縮。

文系? 理系? それは幻想だ!

竹内薫『文系のための 理数センス養成講座』

竹内薫

 文系・理系という分類はナンセンスだ。
 そもそも複雑な物事を無理矢理「二分」するのは愚かなこと。政治家がテレビ番組で「YES」と「NO」の札のどちらかを挙げろと言われて怒るのも当然だ。
 私は海外生活が長く、幼少時は父親の転勤でニューヨークに連れて行かれ、25歳から32歳までは極寒のモントリオールに「島流し」になっていた。足かけ10年、海外にいたわけだが、「あなたは理系? それとも文系?」という質問には、アメリカでもカナダでもついぞ出くわしたことがない。
 それもそのはず。理系と文系なんてェ「区別」は、明治時代に日本で作られた代物であり、きわめてローカルかつ時代遅れのルールなのだ。
 実は、同じようなローカルな区別に血液型がある。「B型だといい加減でA型だと几帳面」などという非科学的な性格分類は噴飯物だが、海外で「あなたの血液型は?」なんてェ質問したら、「おまえはオレの主治医なのか? なぜそんな個人情報を知ろうとする!」と、少しおかしな人に分類されてしまうだろう。
 脱線したので話をもとに戻すが、明治時代にいきなり出現したのが、理系・文系という二分法。そんなものは共同幻想にすぎないと、一蹴するのはカンタンだが、実際に日本社会が「あなたは理系? それとも文系?」というマインドになっていることは事実である。
 そこで、日本に蔓延(はびこ)る「文系マインド」に楔(くさび)を打ち込んで粉砕してしまおう! と意気込んで、週刊新潮の連載「もう一度ゼロからサイエンス」は始まった。私には珍しく、最初から新書で出版することを念頭に、昨年末まで約2年、毎週せっせと原稿を書きためていたのだ。
 その結果できあがったのが『文系のための理数センス養成講座』である。驚くべきことに、現在連載中の「科学探偵タケウチに訊く!」を含めて10年近くも週刊新潮でコラムをやらせてもらっているのに、竹内薫著の新潮新書は、なんと、これが初めてである。空気みたいなもので、そこにある(いる)のがあたりまえで、編集部の誰も私の存在に気づかなくなっていたらしい(おいおい)。
 さて、そんなこんなでようやく世に出ることになった本書であるが、もしも本屋さんで手に取っていただけるようであれば、一つだけ留意事項をお伝えしておきたいのです(いきなり丁寧語......)。62頁の真理値から84頁の帰納法までの「論理」の解説は、少し難しいなあ、ともし感じたら、遠慮なくいったん飛ばして、最後まで本を読んだ後にまた戻ってきて、あらためてこの23頁分をじっくり噛みしめていただきたい。この部分は本書の肝なのだが、その分、人によってはそれなりにハードルが高い箇所なのですね。
 それでは、本屋さんにゴー! ということでお願いいたします。

 (たけうち・かおる サイエンス作家)


竹内薫 『文系のための 理数センス養成講座』 978-4-10-610705-4

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