書評

2013年11月号掲載

ひと手間かけて「美味しい」料理を食卓に

――那須正則『醤(ジャン)から手作り!「白金劉安」の美肌料理』

那須正則

対象書籍名:『醤から手作り!「白金劉安」の美肌料理』
対象著者:那須正則
対象書籍ISBN:978-4-10-334831-3

「どのようにしたら健やかな人生を全うできるのですか?」
 私が店主を務める「食文化サロン 白金劉安」のお客様より、こういったご質問をよく受けます。そこで私は「日々の食事の管理《食養生》が50%、心・ストレスの管理《心の養生》が25%、呼吸・運動の管理《呼吸の養生》が25%を心掛けて下さい」と、お答えしています。
 本書では、「日々の食事の管理」のため、臨床中医(漢方)学における食餌療法に基づき、手作りの無添加調味料「醤(ジャン)」と、それを使った簡単かつ美味しい料理の作り方を紹介しています。
 和洋中のあらゆる料理に使える「醤」は、豆板醤(トウバンジャン)×芝麻醤(ツーマージャン)×甜麺醤(テンメンジャン)など、「醤」同士の組み合わせも無限大! 美肌力・免疫力アップにもつながるなど、まさにいいことずくめのスーパー調味料です。「醤」の食材はすべてスーパーマーケット・食品店・デパートの食品売り場で揃えることができます。あと必要なのは、あなたのちょっとした手間だけ。
 ここでは、本書の中のレシピから、抗酸化作用、記憶力・集中力の向上、骨粗鬆症の予防、更年期障害の軽減に優れた「甜麺醤」と、それを使った「ジューシー回鍋肉(ホイコーロー)」の作り方をご紹介します。是非ご自宅で作ってみてください。
    *
甜麺醤(甘味万能味噌)
【材料】
●八丁味噌…250g ●三温糖…125g ●純米酒…150cc ●水…100cc ●本醸造醤油…大さじ1 ●オリーブオイル…大さじ1 ●ごま油…大さじ1
【作り方】
1 フッ素樹脂加工のフライパンにオリーブオイルとごま油以外を投入し、中火にかける。全体がよく混ざってきたら、オリーブオイル、ごま油の順に少しずつ入れ混ぜる。
2 木ベらでかき混ぜ、クツクツと沸騰してきたら弱火に落とす(絶対に焦がさないこと)。
3 クレーターのように大きな泡が出てきたら、煮詰まってきた証拠。
4 とろみがつくまで練り上げたら完成。

ジューシー回鍋肉
【材料】
●豚バラブロック(茹でたもの)…120g ●キャベツ…180g ●ピーマン…85g ●長ネギ…60g ●甜麺醤…大さじ3 ●純米酒…大さじ1 ●水…大さじ1 ●オリーブオイル…大さじ1強 ●こしょう…適量
【準備】
肉の臭み消しのため、大きな鍋に分量外の水・長ネギの青い部分・ショウガの皮を入れて、湯が沸いたら豚バラブロックを入れ、30分ほど茹でる。このとき、水から豚バラを入れてしまうと、肉の旨味が流れてしまうので注意。常温に冷めるまで鍋に入れておき、3mm程度にスライスする。
【作り方】
1 キャベツは適当な大きさにちぎり、ピーマンは乱切り、長ネギは斜め切りにする。
2 フッ素樹脂加工のフライパンにオリーブオイルをひき、ピーマン、長ネギ、キャベツの順に入れて、やや強火で炒める。
3 野菜がしんなりしてきたら、スライスした肉を入れ、さっと炒める。
4 純米酒と水で溶いた甜麺醤を入れ、素早く全体を炒めて、こしょうで味を調えたら完成。
    *
 手間を惜しんで、食品添加物にたよった食事を摂り続けるのはやめましょう。ひと手間かけて、本当に身体に「美味しい」ものを食べ、健やかな人生を送ろうではありませんか。

 (なす・まさのり 美肌料理プロデューサー・「白金劉安」店主)

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