化石の森(新潮文庫)

石原慎太郎/著
配信開始日: 2002/01/04
価格:990円(税込)
新潮文庫
文芸一般
作品カナ:カセキノモリシンチョウブンコ
紙書籍ISBN:978-4-10-111907-6
現代人の内部に暗く鬱積した怒りを白日のもとにさらし、他者とは何か、人間の存在とは何かを追求した、渾身の書下ろし長編。
現代という“化石の森”をさすらう主人公は、予期せざる危機に追い込まれる。ショッキングな結末が、そこにこめられている寓意の恐ろしさが、いっそう深い衝撃性をもって読者の胸に伝わってくる。劇薬《メディアチオン》による完全殺人、母親に対する嫌悪、荒廃した性愛、関わりのない他人への自己破滅的な献身。救い難い矛盾に引き裂かれた医学生・緋本治夫の戦慄の行動を通して、現代人の内部に暗く鬱積した怒りを白日のもとにさらし、他者とは何か、人間の存在とは何かを追求した、渾身の書下ろし長編。芸術選奨文部大臣賞。

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石原慎太郎(イシハラ・シンタロウ) プロフィール

(1932-2022)神戸市生れ。一橋大在学中の1955(昭和30)年、「太陽の季節」で文学界新人賞受賞。翌年、同作の芥川賞受賞は、その倫理性をめぐって社会的事件となった。1968年、参議院選に全国区から立候補、最高得票で当選。その後、衆議院議員を経て、東京都知事を務める。他の作品に『化石の森』(1970年刊、芸術選奨)、「生還」(1988年刊、平林たい子文学賞)、『弟』(1996年刊、毎日出版文化賞特別賞)、『わが人生の時の時』、『再生』等がある。

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