マルセル・プルースト(Proust,Marcel)

マルセル・プルースト

(1871-1922)1871年、パリ郊外のオートゥイユ(現・パリ市)生まれ。父親は予防医学を専門とする大学教授、母親はユダヤ教徒。幼くして喘息(ぜんそく)の発作を起こし、以後、生涯にわたりこの持病に悩まされる。思春期から同性愛への傾きを示したが、代表作の『失われた時を求めて』(1913−1927)は、まだ同性愛を物語ることが憚(はばか)られていた時代に先駆けて、これを主題の一つに据えた画期的な小説でもある(語り手の恋人アルベルチーヌの造形には、作者が想(おも)いを寄せていたパイロット志望のイタリア青年が影を落としている)。コルク張りの部屋で外部の物音を遮断し、昼夜逆転の生活を送りながら同作全七篇の完成に没頭したが、五篇目以降は遺稿にもとづき死後に出版された。他の作品に『楽しみと日々』(1896年)、『サント=ブーヴに抗して』(1954年刊行)など。1922年、五十一歳で死去。

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