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書評・エッセイ

ナニサマ何様

朝井リョウ

1,728円(税込)

生きていくことは、何者かになったつもりの自分に裏切られ続けることだ。

光を求めて進み、熱を感じて立ち止まる――『何者』アナザーストーリー六篇を収録。光太郎が出版社に入りたかったのはなぜなのか。理香と隆良の出会いは? 瑞月の父に何があったのか。拓人を落とした面接官の今は……。「就活」の枠を超えた人生の現実。直木賞受賞から3年、発見と考察に満ちた作品集。書下ろし作品も収録。

『何様』刊行記念特集

直木賞受賞作『何者』映画化 2016年秋公開

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まだ『何者』でもない若者たちへ
いまも『何者』でもない大人たちへ
――観る者に突き刺さる青春映画完成!

三浦大輔/佐藤健

共通する感覚を伝えたい――

 朝井さんという作家の、物事を理屈づけしていく観察眼は、自分の理系の感覚とも共通していて、よくわかるんです。
 新刊の『何様』に収録されている作品を読んで、理詰めでセックスまで突き進んでいく描写がすごくエロティックで......そういうところは共有していると思います。
 映画では、原作にある拓人への瑞月の言葉を、自分の解釈に引きつけて、ラストで増幅させています。これを伝えたいと強く思ったので――。
 この作品はSNSによるコミュニケーションの変容が大切なテーマで、自分も使っていていろいろなことを感じます。こういうツールを使い慣れた人たちの意識はさらに変化していると思いますから、彼らがこの映画を観て、どう感じるかを知りたいです。
 監督・脚本 三浦大輔(みうら・だいすけ)

退屈なシーンがひとつもない映画

 この作品が映画化されるということは知っていましたが、自分がやるとは思いませんでした。この主人公を演じるのは大変だろうな、と。
 原作を読んで感じたのは、原作者はなんて性格が悪いのだろう、そしてそれに共感している自分も、性格が悪いな、ということでした(笑)。
 拓人になるための、演じる手がかりとして、原作者の朝井リョウさんをイメージして、同じ髪型にしてみたりもしました。もちろん拓人は、朝井さんではないのですが、そういうことから始めて、自分じゃないものになろうとしたんです。
 撮影してすぐは、その作品について客観的になりにくいものですが、出演者の誰もが素晴らしくて、とにかく見逃せないシーンの連続で、退屈な時間がまったく無い映画になっています。
 主演・拓人役 佐藤健(さとう・たける)

朝井リョウ『何様』978-4-10-333062-2