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書評・エッセイ

良縁の育て方、教えます

――木村藤子『すべての縁を良縁に変える51の「気づき」』

新潮社出版企画部

 目の前で、よろめく女性。
 リンゴがこぼれ落ちました。
 時間はありません。待ち合わせに遅れてしまいそう。
 あなたは待ち合わせに遅れないように、先を急ぎますか?
 それとも、リンゴを拾いますか?

 縁にはいろいろな縁があります。
 悪縁があり、腐れ縁があり……人生における出会いの全ては「縁」によるものといえるかもしれません。実は、冒頭でご紹介したシチュエーションもご縁の一つなのです。
 目の前の人がつまずいたとき、「急いでるんだから、構ってられないわ!」と、その横を通り過ぎてしまったら、このご縁は人生のほんの一点で交差しただけで、それ以上深くなることはないでしょう。しかし、「大丈夫ですか」と声をかけられる気持ちの余裕があれば、こんな小さなご縁が大きく育ち、あなたの人生に影響を与えるものになる可能性もあるのです。
『すべての縁を良縁に変える51の「気づき」』には、あらゆる出会いを良縁に深めていくための秘訣がぎっしりつまっています。
 著者は「青森の神様」と言われる霊能者・木村藤子さん。
 あるとき、神から透視能力を授かり、神を通して人々の心を見ることができるようになりました。平成二年には、行方不明になったニシキヘビの居場所を見事に言い当て、「ヘビの神様」として一躍脚光を浴びることに。青森県にある木村さんの神殿には多くの人が悩みを相談しに訪れるようになり、いまやテレビで何度も特集が組まれています。
「子供にも自分にも、なかなか友達ができない」
「人から嫌われるのが怖くて、いつも相手の顔色を見てしまう」
「妻から急に離婚を迫られたが、理由がわからない」
「取引先との関係がこじれそうだけど、怖くて上司に相談できない」
 本書に出てくるこれらの悩みは、せっかく結んだ(あるいはこれから結ぶ)縁を活かしきれない、「ご縁の悩み」という点で共通しています。実はこういった人間関係の悩みは全て、縁の結び方を変えることで解決することができるのです。
 例えば、先ほど挙げた、仕事をしている人なら誰しも経験したことがあると思われる取引先との関係についての悩み。木村さんはこう諭します。
「時間が過ぎることで、イヤなことが自分から消えていってくれることなどほとんどありません。大抵の場合は、時間が経てば経つほど、事態は深刻になっていくものです。イヤだな、と思ったときは、『このイヤだなと思う気持ちは、今すぐに行動するべき、という気づきなんだ』ととらえてみてください」
 いかがでしょうか。ほんと、気が重いことほど後回しにしてしまう。でも、すぐに行動すれば思っていたほど大事にならなかった、というのはよくあることです。
 このように日常の些細なこと、心がけを変えるだけで、今あるご縁も、これから結ぶご縁も、ぐっと素敵なものになるのです。
 友人・家族・上司といった周りの人との繋がりを良縁にしたい。あるいは人生を共に過ごしてゆく恋人や夫など、最も近い縁をより深く結びたい。さらには、初対面の人との縁を良縁へと発展させていきたい。そして、良縁を引き寄せられる自分になりたい――こんな思いを持つ全ての方に、この本の扉は開かれています。
「一日五分の掃除をする」「いいこと探しを日課にする」など、今日からでもできる、でも今までやってこなかったような51の「気づき」。ここから必ず、あなただけの「気づき」が見つかるでしょう。『すべての縁を良縁に変える51の「気づき」』から何を学ぶか。それはあなた次第です。
 では、冒頭の質問に戻りましょう。あなたは、リンゴを拾いますか? それとも……。

木村藤子『すべての縁を良縁に変える51の「気づき」』978-4-10-324142-3