書評

2013年9月号掲載

あ~、よく寝た!と目覚めるために

――鍛治恵『ぐっすり。 明日のパフォーマンスを全開にする快眠処方箋(レシピ)60』

新潮社出版企画部

対象書籍名:『ぐっすり。 明日のパフォーマンスを全開にする快眠処方箋60』
対象著者:鍛治恵
対象書籍ISBN:978-4-10-334611-1

 連日の猛暑で寝苦しい夜が続いています。
 あまりの暑さに夜中何度も目が覚めてしまったり、夜通しかけていたクーラーのせいで、たっぷり眠ったはずなのに、目覚めた瞬間から頭痛がしたり。
 こんなに暑けりゃ、眠れないのも仕方ない、秋になればよく眠れるようになるさ、と思っている皆さん! 眠れないのは、本当に暑さのせいだけなのでしょうか?
 実は、厚生労働省のホームページによれば、日本人の五人に一人が、季節を問わず、睡眠で休養が取れていない、何らかの不眠があると回答しているんだそうです。
 だからといってぐっすり眠るために、早寝早起きを心がけ、食事は腹八分目、寝る前二時間はパソコンやテレビもやめて、お酒も厳禁。眠りにつく前には薄暗い部屋で、ゆったりした気持ちで読書でもしてください――こんなアドバイスをされたところで、ほとんどの人は、「それが出来れば苦労はないよ!」と思われることでしょう。いまの世の中、自分の都合だけで生活リズムを変えられるほど甘くありません。
『ぐっすり。 明日のパフォーマンスを全開にする快眠処方箋60』は、睡眠不足でも、不規則生活でも、自分の置かれた生活リズムのなかで、翌日に疲れを残したくないすべての人にこそお勧めしたい一冊です。
 本書の目指す「ぐっすり。」とは、
1.ベッドに入ったら、あっという間に眠りにつきたい
2.途中で起きたりせずに朝まで眠りたい
3.目覚めたとき、スッキリした状態でいたい
 この3点がセットになった眠りです。
 要は限りある睡眠時間なら、目一杯効率よく良質の睡眠をとれるように工夫しましょう、ということ。そして、何より「眠りによってしっかり疲れを取り、昼間はバリバリ活動的に過ごせるようにする」ことを目的としています。
 目次から内容をちょっぴりご紹介すると、
○「寝だめ」より賢い「週末睡眠テク」とは?
○コンビニにも行ける格好では寝ない
○寝具を干すなら、まず枕から
○どうしようもなくツライ朝の特効薬
○「8時間睡眠が理想」はウソだった!?
○お酒を眠りの敵にしないコツ
○フリースのパジャマは今日からやめる!
○「睡眠都市伝説」にダマされるな
○眠くなるまでベッドに入らない
○マジメは睡眠の敵?
○1分でスヤスヤ安眠! 夜の「ぐっすりヨガ」
○1分でスッキリ覚醒! 朝の「ぱっちりヨガ」
○会議にはタンブラーを持参しよう
○季節にあった寝具の選び方〜夏編・冬編〜
○エアコンと仲良くなれば百人力〜夏編・冬編〜
 などなど。「え? どういうこと?」「それ本当?」と思われたあなたは、睡眠に関する間違った知識からぐっすりを遠ざけてしまっているのかもしれません。
 ちなみに、眠りに関してよく囁かれる噂の、
「八時間睡眠が理想的」
「肌にいい成長ホルモンは午後十時から二時の間に出る」
「九十分区切りは起きやすい」
 これらはすべて、大ウソなんです。
「じゃ、一体成長ホルモンはいつ出るのか?」の正解は本書の処方箋の中に書かれていますので、チェックしてみてください。
 睡眠改善インストラクターの著者が、実践のなかで編み出した、読んだ瞬間から、誰でも簡単に実行できる「快眠処方箋」の数々。
 うまく眠れない→疲れがとれない→日中もてきぱき動けない→またまた眠れない、という悪循環を避けるために役に立つ眠りの裏技が満載です。
 できるところからひとつずつ実行することで、今夜から自分だけの「ぐっすり。」を手に入れてください!

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